旅先を訪れることで学んだことや気付いたことが、ふとした時に生活の中で繋がって身近なことになったり自分にとって大切な心の拠り所にさえなることがあります。HOTEL VISONのある“多気”の地にはその可能性が多く秘められていますが、それを気付くには良きヒントが必要です。HOTEL VISONはそのヒントを探し出す為のスタートの場です。ご滞在いただいたお客様が、自らの目で見て、体験し、発見することの大切さを知り、普段の生活に戻ってからその知識を実践していただけるホテルになりたいと願い、館内にはHOTEL VISONのためだけに作られたアート作品を数多く展示しております。
ヴィラ
パブリックエリア
ホテル棟客室
アート作品はHOTEL VISON内、各所にてお楽しみいただけます。棟ごとに、異なるアーティストがアート作品を飾り、ご宿泊いただくお客様がアート作品の中でゆったりとお寛ぎいただけるお部屋をご用意しました。
どの作家にも、山にいることを意識させ、同じ生き物として「循環」している感覚を与えられるような想いで制作していただきました。
作品と目の前に広がる景色が混ざり合い、お部屋でお過ごしいただく時間がより心地よく、特別なものになりますように。
現代的な和をテーマとした、茶室付きのヴィラ「東風吹」。
茶人・千宗屋氏監修の四畳半茶室「気淑庵」を特別に擁し、リビングには、千宗屋氏がデザインした茶机〈天遊卓〉。
特別な茶の世界を体感いただける空間となっております。
林 志保
1984年兵庫県神戸市生まれ
2008年 京都市立芸術大学工芸科漆工専攻 卒業
2014年 多治見市陶磁器意匠研究所修了
現在岐阜県多治見市にて製作を行う
石のようにソリッドなもの、木のようにあたたかいもの、過去から掘り出されたモニュメントのような佇まいした花器、素材の可能性を引き出されたミニマルな塊など、“心をはっとさせる”ような独創的な形で、いつの間にか暮らしに寄り添う存在となっていくような作品を制作している。同氏の作品は、たとえば美術館の中でキュレーションされてしまうような制御可能な存在ではなく、誰しもに開かれ、“場”となり、空間全体に影響を与えることが可能な包容力を持っていることが特徴だ。ヴィラ客室内にも、“今、傍に置いておきたい”と思わせる作品が、新作を含めて数多く集められている。
新城 大地郎
1992年宮古島生まれ
書道をベースに現代的な表現を追求するアーティスト。2017年プレイマウンテンで個展「Surprise」、2018年CURATORS CUBE4Fで個展「note」、2018年TRUNK HOTEL ロビーインスタレーションなど。2019年には宮古島の祭祀写真にドローイングした展示「CROSS MYAHK」など。2020年にはサンフランシスコで行われたアートフェアUNTITLEDにPlaymountain EASTより出展
禅や新城が生まれ育った沖縄の精神文化を背景に、型に縛られない自由なスタイルで日本の伝統分化「書」に新たな光を当てたダイナミックな作品です。
湯浅 景子
1973年名古屋市生まれ。
2020 HB Gallery ファイルコンペ(vol.30) 大賞〈藤枝リュウジ賞〉
2019 宮本三郎記念デッサン大賞展(第5回) 優秀賞
2018 全日本アートサロン絵画大賞展(第28回)自由表現部門 サクラクレパス賞
2018 第3回 星乃珈琲店 絵画コンテスト 優秀賞
2018 FUKUIサムホール展(第35回) 入選
2017 全日本アートサロン絵画大賞展(第27回)自由表現部門 大賞
日々、色を塗り、重ね、引っ掻き、絵を描いています。
それはとてもシンプルな行為です。
部屋の名前、「月清夜(つきがさやかなよる)」をコンセプトに、モノトーンの内装に合わせて制作した抽象絵画作品。針で引っ掻いて制作しています。
藤本 玲奈
1983年三重県伊勢市生まれ
2003年渡英後制作活動をはじめる
2007年ロンドン芸術大学ロンドンカレッジオブコミュニケーション卒業
2011年自然からのインスピレーションをもとに、ペインティング、立体など形態に捉われない作品の制作をはじめる
hako gallery, CURATOR’S CUBE, BLUM&POE,などにて展示
現在多気町にアトリエを構え制作活動を行う
じぶんのなかにあるものを追求するために体験し 考え、想い、食べて、寝る。
いきることのながれの中で全身にながれた見えない小さな粒のあつまりを手にまかせ、からだにまかせ自己との対話からうまれるもの。
どこにもないだれでもないじぶんをやりつづけるために。
生かされて生きることからこぼれおちたかけら達の作品です。
金森 正起
1975 名古屋生まれ
1988 愛知、岐阜にて現存していた野鍛治をめぐり始める
何かを作りたく作り手を訪ねているうちに鉄の仕事に出会う
2001 松岡信夫(鉄の造形作家)に弟子入りをする
地球に在る鉱物や砂に人の手が加わり、火を使い溶かし作られた鉄の錆びて行く様子を見ると、古代や自然に戻っていくように想像し感動を覚えます。風化が進む過程で、人間の力の跡が消え去り、硬かった金属が少しずつ柔らかくなり、土色へと変色し、土に戻っていきます。自然の一部としての過程を自分の作品として表現し、自然界の脈動を意識して作られた作品です。探検するように作品を楽しみながら発見し、何かを感じていただけたらと配置しました。
客室だけでなく、パブリックエリアでもくつろぎ特別な時間を窓からみえる自然とともに楽しむことができる「木」をテーマにした様々な素材のHOTEL VISONためだけのアート作品。
Eduardo Chillida
エントランスロビー
Eduardo Chillida
彼の巨大な公共インスタレーションで知られるスペインのアーティスト。主に鉄、木、鋼で制作されたチリーダの連動する彫刻は、空間と物質性への関心を反映しています。 1924年1月10日にスペインのサン・セバスティアンで生まれたチリーダは、マドリード大学で建築を学びましたが、芸術に転向し、1948年にパリに移りました。1950年代にスペインに戻ると、彼の焦点は光、風景、空間の問題に向けられました。 1958年にヴェネツィアビエンナーレで彫刻大国際賞を受賞したアーティスト自身の美術館、Museo Chillida-Lekuは、2000年にスペインのエルマニにオープンしました。2002年8月19日、故郷のスペインのサン・セバスティアンで、78歳で亡くなりました。現在、チリーダの作品は、シカゴ美術館、グッゲンハイムビルバオ、ロンドンのテートギャラリー、ニューヨークの美術館近代美術館に収蔵されています。
二つの手がテーマの作品。二つの手がつながり、サン・セバスチャンと多気、人と人のつながりを表現しています。
新城大地郎
ロビー &6階EVホール
1992年宮古島生まれ
書道をベースに現代的な表現を追求するアーティスト。2017年プレイマウンテンで個展「Surprise」、2018年CURATORS CUBE4Fで個展「note」、2018年TRUNK HOTEL ロビーインスタレーションなど。2019年には宮古島の祭祀写真にドローイングした展示「CROSS MYAHK」など。2020年にはサンフランシスコで行われたアートフェアUNTITLEDにPlaymountain EASTより出展。
新城大地郎が、Eduardo Chillida(エディアルド・チリーダ)の手の作品からインスピレーションを受けて制作した「自」と「手」の作品です。チリーダの作品と対になるように、エントランスに飾りました。また6階のエレベータホールには、「花」をテーマにした作品も飾っています。
高山 英樹
ロビーと2階中央吹き抜け
益子在住の木工作家。石川県出身。文化服飾学院を卒業後都内で舞台衣装や布のオブジェを制作。のちに、北米や中米、アジア、ヨーロッパなどを旅しながら、国内で内装や家具の制作を手がけるように。2002年に益子へ移住し、現在は「暮らし家」として、国内外で作品を発表するほか、ものづくりのワークショップなど幅広く活躍する。
ロビーの作品は、美しい村に住んでいる人たちと、村を訪れる人たちが、この森の中で出会い重なるイメージ。また、2階中央吹き抜けの作品は、三重の山並みと伊勢の海の風景のうつろいを、白い壁の中に作品と共に現れる光と影が織り成すイメージです。
上野 友幸
3階吹き抜け回廊
1982 年神戸生まれ / ベルリンと神戸を拠点に活動
東京芸術大学大学院を修了後、2009年からベルリンを拠点に国内外で活躍する。DAAD(ドイツ学術交流会)奨学生、ポーラ美術振興財団在外研修員としてベルリン芸術大学を修了し、2017年よりクンストラーハウス・ベタニエンにて一年間のレジデンスに参加するなど着実に実績を積み、2018年にはモスクワ・ビエンナーレ・フォー・ヤングアートに選出されています。
2020年夏、作家が那須塩原に滞在していた際に、山を散策して集めたY 字の枝を素材にして制作した作品。森も一つ一つの木から構成されているように、その木も数億年前から受け継がれてきた命であるように、繰り返されるパターンにはこの世を構成する普遍性があると言えます。そして、それらの枝は朽ちていくことを連想させるとともに、繰り返される生命を感じさせます。作家の上野は、素材を求めて山を歩いていると、毎回ふと自分が自然の一部になったような、マインドフルネスのような状態になり、自分の体を使って自然の中から発見・収集していると、生きることと制作することが一致した感覚を覚えたと言います。VISONは那須塩原と秋吉台の丁度真ん中に位置します。ここに八百万に広がる自然の繋がり、生命の繋がりを感じて頂ければと思います。
田中 世梨
4階EVホール
和歌山県出身。大阪市在住。self-taughtアーティスト
夫の仕事のため2年間のアメリカ滞在中、アメリカ各地の美術館でたくさんのアート作品に触れ、帰国後2015年よりアクリル絵具で作品制作を始める。直感的なアプローチで絵の中のリズムや構成にフォーカスし、色彩とフォルムの表現を探求しています。
直感的なアプローチで絵の中のリズムや構成にフォーカスし、色彩とフォルムの表現を探求しています。
梅本 敏明/STUDIO Khii
5階珈琲リビング
「Studio Khii(スタジオキイ)」は、和歌山県 紀伊半島西端にある山と海に囲まれた工房で梅本敏明さんが製作を行なっているスタジオです。機械を駆使した作品作りやハンドメイドを組み合わせユニークな手法でスツールなどの家具・日用品、オブジェクトなどの製作をしています。
杉の丸太を切り出しペイントした「Ceder collection」の作品です。また、ホテルロビーやVilla客室内には、Studio Khiiのテーブルも設置。存在感のある作品です。
宮城 壮一郎
6階EVホール
沖縄、香川など漆の産地で修行後、宮崎にて独立
2009年 「塗匠 漆工藝宮城壮一郎」を設立
2010年 「伝統美術意匠家集団CRAFTJUNKIEZ」設立」
2013年に「GALLERY INDIVIDUAL」設立
個展・注文制作を軸に漆工芸品を制作、漆工品修理、文化財修理・修復、特殊漆塗、店舗内外装特殊漆塗を行う。国内外の美術館、ギャラリーにて展示。
表面にあるのは見えるもの という。それは表層であってその内側(下側)にあるのは見えないものだと。表層に線を表すには内側(下側)にも線を表すことが構造としての「線」を出現させることにつながるのだと思う。見える線の下に数十倍もの構造としての「線」が存在し、その線は見ようと近づかなければ出現しない線でもある。近づくことが願うことに近いと感じていて、それは星を探すことに近く「stars」と付けた作品です。
Blue Tip Atelier
7階EVホール
Blue Tip atelier は「想像する」「染める」「断つ」「縫う」「刺す」これらの工程を一つ一つ丁寧に行い、「生活に寄り添う機能的なART」をコンセプトにキルトを展開していきます。上質なフレンチリネンやコットンを様々な天然染料で彩り、一針一針丁寧に刺し綴るこのプロダクトは、ART, rug, bedclothes, bedcover など生活を彩る様々なシーンで楽しんで頂けます。
素材は織りたてのリネンを洗いにかけたもの。ハンドキルトは、コットン糸を天然染料のインド茜で染色したものを使用しています。
小板橋 雅之
8階EVホール
版画家。1982年生。京都市在住。2010年より木版画の作品製作を始める。現在は京都にて製作活動を行う。国内でのギャラリーやショップでの展示を始め、海外でのコラボレーション作品製作など活躍中
地層の悠久のロマンに着想を得て、層(レイヤー)をテーマに円形の木版を位置をずらしながら幾重にも重ね一つの図形を作りました。
盛永 省治
9階EVホール壁面
1976年鹿児島生まれ。家具メーカーで職人として勤務ののち、2007年に自身のアトリエCrateを始める。同時にウッドターニングを独学にて開始。現在はウッドターニングによる作品を主に国内外で作品を発表している。
9階エレベーターホールに設置しているやわらかな曲線が美しい立体作品。木の個性を活かした存在感のある作品です。
Eduardo Chilida
ホテル棟 客室
Eduardo Chilidaは、巨大な公共インスタレレーションで知られるスペインのアーティストです。VISONのある多気町がスペインバスク地方サン・セバスチャン市と友好関係にあることから、サン・セバスチャンを代表する現代彫刻家Eduardo Chilidaの手掛けた版画ポスターとポストカードを、スペインのエルマにあるEduardo Chilidaの美術館「Museo Chilida-Leku」に依頼して、ヴィソンホテルズのために新たに制作していただきました。ホテル棟全室に飾っているこちらのポスターとポストカードは、ホテルフロントにて販売も行っております。